東日本大震災、台風12号と、大きな災害が相次いでいます。
災害対応は、公務員の重要な仕事のひとつです。
土木系、技術系公務員は災害とどのような関係があるのでしょうか。
(以下、あくまで私個人の見解に過ぎません。防災のあるべき姿については、まだ多くの議論を必要としているところであり、現在の日本国憲法、各種法令に則れば、住民の命を守るのは行政の一義的責務であり、その部分を否定するところではありません。)
東日本大震災
東日本大震災のとき、津波が迫りながらも、最後の瞬間まで防災無線で町民に避難を呼びかけ続け、自らは庁舎ごと津波にのまれ亡くなった南三陸町の若い女性職員の話は記憶に新しいところかと思います。
(ニュースサイトは記事が古く消えてるのでヤフー検索リンクです。→
http://1cc.jp/4ubae6)
この話は大きくクローズアップされました。
今回の災害の特徴のひとつは自治体職員の犠牲率の多さです。
先日、防災関係の全国会議で被災地の関係者や、防災専門家の話を聞く機会がありましたので、その話によると、津波警戒、避難呼びかけ、交通整理等のため、現地や庁舎にとどまり、そのまま津波にやられてしまった。
南三陸町では240名の職員のうち、30名超が亡くなっています。
(当初、気象庁発表の津波予想は低めであり、防波堤で防げると判断してしまったこともアダとなりました。)
ある町では、土木系の職員が全滅し、現在進行中の復旧復興計画にも大きな影響が出ているとのこと。
このような、国難とも呼べる大災害にあっては、事務も技術も関係なく、もう発生から半年以上経った今でも不眠不休で復旧復興に尽力されています。
また日本全国から応援の職員が派遣され、延べ10万人が投入されたとのことです。
私の職場からも順番で現地に応援に行っています。もうすぐ私にも順番が回ってきます。
災害に直面したとき地域が災害に直面したとき、公務員は何をしているか。
基本的に、多くの自治体では
当番制で防災体制を組んでいます。
大雨注意報が出たら事務所に出動・待機とかですね。
私は大体年間6〜8回くらい夜中、土日に待機します。(雪が多い年はもっと増えます)
注意報レベルですと、事務所に出てきて、雨量や水位情報を見ながら、パトロールをする。
警報レベルで、パトロール強化、水門・樋門巡視等やりながら、ちょくちょく住民から電話がかかってきます。側溝が詰まってるとか、道路に木が倒れてるとか。
避難勧告を出すようなレベルになると、河川・水路に土のうを積んだり、住民に避難を呼びかけて回ったり、避難所を設営したり、マスコミ対応したり。電話もなりっぱなし。
まあ、仕事としてはこんなところ。文字で書くとなんてことないんだけどなあ(笑)。実際は笑ってられないです。ご想像のとおり。
これからの「防災」わが国は災害大国です。日本の国土を語る上で、切り離すことができない事実です。
毎年のように水害が発生し、土砂災害が家を飲み込み、時として巨大な地震が襲います。「安全な場所」は日本には無いのです。
この事実を認識せずに公務員たる資格は無いと言っても過言ではないと思います。
まず、
災害対策基本法では、住民の避難に関する事項については市町村長が行うこととなっており、大変シビアな決断をしなければなりません。
住民の命を預かる身として、重大な覚悟と使命感が必要なのは言うまでもありません。
兵庫・佐用町豪雨で遺族が提訴上は、平成21年に起こった兵庫県佐用町で起こった豪雨災害で、町の避難勧告が遅かったとして訴えられたものです。
この災害における避難勧告のタイミングについては、様々な研究がされていますので、興味のある方は調べていただけたらと思います。
ヤフー検索
じゃあ、訴えられるのが怖いからといって、ホイホイと避難勧告を出すことが行政の責任を全うしたと言えるでしょうか?
いわゆる
「空振り」の問題です。狼少年ではありませんが、あまりに避難勧告を出しすぎて、ひとつも実害が無かったとなれば、そのうち誰も避難しなくなってしまいます。
最近の傾向として、なるべく空振りを無くしたい、だからギリギリまで待って、現地を確認して、避難勧告を出したい、というのがありますが、台風12号の被害を見ていますと、この傾向もみなおされそうです。
つまり、はっきり言えば、
行政が避難に関してどこまで面倒を見れるか、という根本の問題が議論されているのです。
行政が避難について一定の責任を持つのは当然のこととしつつ、
住民が自ら判断して逃げることも必要なのではないかという考え方も広がっています。
このような情勢の中、これからの行政の職員に期待されるのは、
コーディネーション能力(地域との調整能力)です。
行政が地域の中に入っていき、地域の防災上の問題点を共有し、それぞれの地域に合わせた防災計画を「住民が主体となって」作っていく、その考えのもと、行政がそれをバックアップする。
「自分の身は自分で守る。地域の安全は地域が作る」当たり前のことですが、行政がこの言葉を口にすることは今まで積極的にできませんでした。自らの責務を放棄していると捉えられかねないからです。
ですが、今回の大震災・台風災害は、強烈な防災意識を国民全てに植えつけました。
行政の限界を認識し、その中で自分たちのできることを示して、対話の中で新しい防災の形を作っていくことが、多くの犠牲者へのせめてもの慰めになるのではないかと思います。
今回の災害で犠牲となった多くの皆様、そして前線で命を落とした職員同志のみなさんのご冥福をお祈りします。
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東日本大震災のとき、津波が迫りながらも、最後の瞬間まで防災無線で町民に避難を呼びかけ続け、自らは庁舎ごと津波にのまれ亡くなった南三陸町の若い女性職員の話は記憶に新しいところかと思います。
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この話は大きくクローズアップされました。
今回の災害の特徴のひとつは自治体職員の犠牲率の多さです。
先日、防災関係の全国会議で被災地の関係者や、防災専門家の話を聞く機会がありましたので、その話によると、津波警戒、避難呼びかけ、交通整理等のため、現地や庁舎にとどまり、そのまま津波にやられてしまった。
南三陸町では240名の職員のうち、30名超が亡くなっています。
(当初、気象庁発表の津波予想は低めであり、防波堤で防げると判断してしまったこともアダとなりました。)
ある町では、土木系の職員が全滅し、現在進行中の復旧復興計画にも大きな影響が出ているとのこと。
このような、国難とも呼べる大災害にあっては、事務も技術も関係なく、もう発生から半年以上経った今でも不眠不休で復旧復興に尽力されています。
また日本全国から応援の職員が派遣され、延べ10万人が投入されたとのことです。
私の職場からも順番で現地に応援に行っています。もうすぐ私にも順番が回ってきます。
災害に直面したとき地域が災害に直面したとき、公務員は何をしているか。
基本的に、多くの自治体では
当番制で防災体制を組んでいます。
大雨注意報が出たら事務所に出動・待機とかですね。
私は大体年間6〜8回くらい夜中、土日に待機します。(雪が多い年はもっと増えます)
注意報レベルですと、事務所に出てきて、雨量や水位情報を見ながら、パトロールをする。
警報レベルで、パトロール強化、水門・樋門巡視等やりながら、ちょくちょく住民から電話がかかってきます。側溝が詰まってるとか、道路に木が倒れてるとか。
避難勧告を出すようなレベルになると、河川・水路に土のうを積んだり、住民に避難を呼びかけて回ったり、避難所を設営したり、マスコミ対応したり。電話もなりっぱなし。
まあ、仕事としてはこんなところ。文字で書くとなんてことないんだけどなあ(笑)。実際は笑ってられないです。ご想像のとおり。
これからの「防災」わが国は災害大国です。日本の国土を語る上で、切り離すことができない事実です。
毎年のように水害が発生し、土砂災害が家を飲み込み、時として巨大な地震が襲います。「安全な場所」は日本には無いのです。
この事実を認識せずに公務員たる資格は無いと言っても過言ではないと思います。
まず、
災害対策基本法では、住民の避難に関する事項については市町村長が行うこととなっており、大変シビアな決断をしなければなりません。
住民の命を預かる身として、重大な覚悟と使命感が必要なのは言うまでもありません。
兵庫・佐用町豪雨で遺族が提訴上は、平成21年に起こった兵庫県佐用町で起こった豪雨災害で、町の避難勧告が遅かったとして訴えられたものです。
この災害における避難勧告のタイミングについては、様々な研究がされていますので、興味のある方は調べていただけたらと思います。
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じゃあ、訴えられるのが怖いからといって、ホイホイと避難勧告を出すことが行政の責任を全うしたと言えるでしょうか?
いわゆる
「空振り」の問題です。狼少年ではありませんが、あまりに避難勧告を出しすぎて、ひとつも実害が無かったとなれば、そのうち誰も避難しなくなってしまいます。
最近の傾向として、なるべく空振りを無くしたい、だからギリギリまで待って、現地を確認して、避難勧告を出したい、というのがありますが、台風12号の被害を見ていますと、この傾向もみなおされそうです。
つまり、はっきり言えば、
行政が避難に関してどこまで面倒を見れるか、という根本の問題が議論されているのです。
行政が避難について一定の責任を持つのは当然のこととしつつ、
住民が自ら判断して逃げることも必要なのではないかという考え方も広がっています。
このような情勢の中、これからの行政の職員に期待されるのは、
コーディネーション能力(地域との調整能力)です。
行政が地域の中に入っていき、地域の防災上の問題点を共有し、それぞれの地域に合わせた防災計画を「住民が主体となって」作っていく、その考えのもと、行政がそれをバックアップする。
「自分の身は自分で守る。地域の安全は地域が作る」当たり前のことですが、行政がこの言葉を口にすることは今まで積極的にできませんでした。自らの責務を放棄していると捉えられかねないからです。
ですが、今回の大震災・台風災害は、強烈な防災意識を国民全てに植えつけました。
行政の限界を認識し、その中で自分たちのできることを示して、対話の中で新しい防災の形を作っていくことが、多くの犠牲者へのせめてもの慰めになるのではないかと思います。
今回の災害で犠牲となった多くの皆様、そして前線で命を落とした職員同志のみなさんのご冥福をお祈りします。
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